血圧が高いと言われたら?原因と下げる方法、受診の目安を医師が解説

血圧が高いと言われたときの原因と下げる方法

健診で血圧が高いと指摘されたものの、自覚症状がないため放置していませんか?高血圧は、ほとんど自覚症状がないまま進行し、将来的に脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる病気につながる可能性があります。厚生労働省も生活習慣病の早期発見・改善を促しており、早期の対応が重要です。

本記事では、高血圧の具体的な基準、引き起こすリスク、今日からできる生活習慣の改善策を医師が解説します。さらに、適切な受診の目安や家庭での正しい血圧測定のコツまで、日本高血圧学会のガイドラインや厚生労働省のデータに基づき、信頼できる情報を提供します。

この記事を読み終える頃には、ご自身の血圧と適切に向き合い、将来の健康を守るための具体的な行動や、不安を解消する知識を得られるでしょう。

目次

健診で「血圧が高い」と言われたら?具体的な基準と高血圧の定義

健診で血圧が高いと指摘された場合、放置せずに早期受診と生活習慣の改善を考えることが大切です。高血圧は、ほとんど自覚症状がないまま進行することが多いため、将来の深刻な病気につながるリスクがあります。厚生労働省は、特定健診や特定保健指導を通じて、生活習慣病の早期発見と改善を促しています。健診で血圧の指摘を受けたら、自身の健康状態を見直すきっかけと捉えましょう。まずは高血圧の定義や基準を理解し、適切な対応を検討することが重要です。健診結果をきっかけに、専門家のアドバイスを受け、保健指導や医療機関受診につなげることを厚生労働省は呼びかけています。

血圧が高いとは具体的にどの数値から?

高血圧の診断基準は、血圧を測る場所によって異なります。日本高血圧学会が定めた「高血圧治療ガイドライン」では、診察室で測る血圧と自宅で測る家庭血圧では、異なる基準値が設けられています。これは、病院という非日常的な環境での測定と、リラックスできる自宅での測定では、緊張の度合いが違うためです。

具体的な診断基準は次の表のとおりです。

血圧測定の場所収縮期血圧(上の血圧)拡張期血圧(下の血圧)診断基準
診察室血圧140mmHg以上90mmHg以上高血圧
家庭血圧135mmHg以上85mmHg以上高血圧

収縮期血圧とは、心臓が血液を全身に送り出す際の最も高い圧力(いわゆる「上の血圧」)を指します。一方、拡張期血圧は、心臓が血液を取り込む際の最も低い圧力(「下の血圧」)のことです。健診で高血圧と診断される、あるいは受診を勧められる数値は、この基準に基づくとされています。日本高血圧学会のガイドラインでは、高血圧を「治す」だけでなく、予防や生活習慣改善を含めた包括的な血圧管理の重要性を強調しています。

健診結果の「受診勧奨」の意味

健診結果に「受診勧奨」と記載されていた場合、それは医療機関での精密検査や専門医による診断が勧められる状態であることを意味します。この「受診勧奨」は、厚生労働省が定めた特定健康診査の判定基準に基づいています。たとえば血圧では、収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上の場合に受診勧奨の対象となります。ただし、この値は「医療機関への受診を検討するための判定値」であり、健診結果がすぐに高血圧の確定診断になるわけではありませ

健診で得られた数値だけでは判断が難しく、高血圧やその他の生活習慣病のリスクが高いと判断された場合に、医師による詳しい評価が必要であることを示唆しているといえます。高血圧は放置すると将来的に心臓病や脳卒中など、命に関わる病気につながる可能性が高まることがわかっています。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、高血圧は喫煙と並び、日本人の生活習慣病死亡に大きく影響する要因と説明されています。自身の健康を守るためには、健診結果を無視せず、早めに医療機関を受診し、医師とともに具体的な対策を検討しましょう。

白衣高血圧にご注意を

健診で血圧が高いと指摘されたものの、普段は気にならないという方もいらっしゃるかもしれません。そのような場合に考えられるのが「白衣高血圧」です。白衣高血圧とは、普段の家庭で測る血圧は正常範囲内なのに、病院やクリニックで測定すると、緊張などが原因で一時的に血圧が高くなる現象を指します。これは、医療従事者の白衣を見ると緊張してしまうことに由来して名付けられました。

白衣高血圧であっても、その後の健康管理には注意が必要です。なぜなら、白衣高血圧と診断された人が、やがて「本当の高血圧」へ移行するリスクがあることが指摘されているからです。そのため、白衣高血圧と診断されても放置せず、ご自宅での定期的な血圧測定(家庭血圧測定)を行い、その記録を医師と共有することが非常に大切です。日本高血圧学会のガイドラインでも、正確な血圧管理と診断のために家庭血圧の重要性が強調されています。自宅で測る血圧は、日常生活でのリアルな血圧変動を把握するために不可欠であり、医師が治療方針を決定する上での貴重な情報源となります。日頃から血圧の変化を把握することで、自身の体調をより深く理解し、適切な対応につなげられるでしょう。

放置は危険!高血圧が引き起こす3つの重大なリスク

高血圧の放置は、脳や心臓、腎臓などの重要な臓器に深刻な影響を与え、命に関わる重大な病気を引き起こす可能性があります。高血圧は、遺伝的な要因と食生活や運動不足といった生活習慣が複合的に関与する生活習慣病の一つであり、ほとんど自覚症状がないまま進行することが特徴です。そのため、健診で血圧が高いと指摘された場合は、見過ごさずに適切な対応を考えることが大切です。

血管がダメージを受け動脈硬化が進行

血管は、高血圧によって常に強い圧力を受け続けるとダメージが蓄積し、動脈硬化が進行します。動脈硬化とは、血管のしなやかさが失われ、硬く厚くなっていく状態です。血圧が高い状態が続くと、血管の壁には常に過剰な負担がかかります。その結果、血管の内側の細胞が傷つき、次第に弾力性を失って硬くなっていきます。最終的には血管の壁が厚くなり、血液の通り道が狭くなるため、全身の臓器への血流が悪くなる可能性があります。

脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気

脳卒中や心筋梗塞は、高血圧による動脈硬化が進行することで発症リスクが高まる命に関わる病気です。厚生労働省のデータによると、高血圧は喫煙と並び、日本人の生活習慣病による死亡に大きく影響する要因の一つとされています。動脈硬化により血管が狭くなったり詰まったりすると、脳や心臓など重要な臓器に必要な血液が届かなくなります。

  • 脳卒中:脳の血管が詰まる「脳梗塞」や、血管が破れて出血する「脳出血」などを指します。突然の発症が多く、重篤な後遺症を残す可能性や命に関わることもあります。
  • 心筋梗塞:心臓に血液を送る冠動脈が動脈硬化で詰まり、心臓の筋肉に酸素や栄養が届かなくなる状態です。激しい胸の痛みや呼吸困難を引き起こし、突然死の原因となることもあります。

これらの病気は、たとえ一命を取りとめても、重い後遺症が残るケースも少なくありません。その結果、その後の生活の質(QOL:Quality Of Life)が大きく低下してしまう可能性があります。

高血圧の放置は、自覚症状がなくても血管を傷つけ、動脈硬化を進行させます。その結果、脳卒中や心筋梗塞といった重篤な病気を引き起こし、生活の質を大きく損なうことにもつながりかねません。健診で血圧が高いと指摘されたら、速やかに専門機関に相談し、適切な対応をとることが大切です。

血圧を下げるために今日からできる生活習慣改善4つのポイント

血圧を下げるためには、生活習慣の改善が欠かせません。薬に頼らずとも、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞といった合併症のリスクを減らすための第一歩となるからです。国立循環器病研究センターも、生活習慣の見直しが高血圧管理の基本であると説明しています。無理なく続けられる範囲から、少しずつ日々の習慣を見直していくことが、血圧のコントロールに大きくつながります。

【食事】減塩とバランスの取れた献立

血圧を正常に保つには、塩分を控えた減塩と、栄養バランスの取れた食生活が何よりも重要です。塩分を摂りすぎると、体内の水分量が増え、血液の量も増えることで血圧が上昇しやすくなります。

厚生労働省は、食塩摂取の目標値を次のように定めています。

  • 成人男性: 1日7.5g未満
  • 成人女性: 1日6.5g未満

この目標値を意識し、下記のような工夫を取り入れると良いでしょう。

  • 減塩の具体的な工夫
    • 加工食品は控えめに: インスタント食品や練り物、加工肉には多くの塩分が含まれているため、できるだけ手作りの食事を心がけるようにしましょう。
    • 調味料は少量ずつ使う: 醤油や味噌、ドレッシングなどは、かける量を減らしたり、少量だけつけたりするなど工夫します。減塩タイプの調味料を活用することも可能です。
    • 出汁や香辛料で風味を足す: 昆布やかつお節でとった出汁、唐辛子やハーブ、レモンなどを活用すれば、塩分が少なくても美味しく食事を楽しめるでしょう。
    • カリウムを積極的に摂る: 野菜や果物、海藻などに豊富なカリウムは、体内の余分な塩分を排出する働きを助けます。
  • バランスの取れた献立
    • 野菜・果物をたっぷり摂る: ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、血圧を安定させる効果が期待できるため、毎日意識して摂取しましょう。
    • 良質なタンパク質を選ぶ: 魚、大豆製品、鶏むね肉などをバランス良く摂ることが大切です。肉類を選ぶ際は、脂肪が少ない部位を選ぶことをおすすめします。
    • 全粒穀物を選ぶ: 白米よりも玄米や雑穀米、食パンよりもライ麦パンを選ぶと、食物繊維を多く摂れます。
    • 脂質の摂り方に注意する: 動物性脂肪は控えめにし、魚に含まれる不飽和脂肪酸(DHA・EPA)を積極的に摂るのが望ましいです。

外食の際には、減塩メニューを選んだり、ドレッシングを別添えにしてもらったりと、意識的に塩分を控えるようにしましょう。

【運動】無理なく続けられる適度な運動習慣

適度な運動は、心臓や血管の機能を高め、体重のコントロールにもつながるため、血圧を下げる効果が期待できます。運動習慣を身につけることは、高血圧管理において大切な要素の一つだと国立循環器病研究センターも注意を促しています。

血圧を下げるために効果的な運動は、次のとおりです。

  • どんな運動が良いか
    • 有酸素運動が効果的: ウォーキング、軽いジョギング、サイクリング、水泳など、長時間続けやすい運動が特に推奨されます。
    • 「ややきつい」と感じる程度で: 運動強度は、息が弾み、少し汗ばむくらいを目安にしましょう。会話ができる程度の負荷が理想的です。
  • どのくらいの頻度で行うか
    • 毎日30分以上を目指す: 週に3〜5日、合計で180分以上の運動を目標に設定します。継続することが何よりも大切です。
    • 細切れでも問題なし: 10分程度の運動を数回に分けて行っても、合計で30分以上になれば効果が期待できます。たとえば、朝晩にウォーキングを取り入れるのも良い方法です。
  • 無理なく続けるためのコツ
    • 楽しめる運動を見つける: 楽しく続けられる運動を選ぶと、習慣化しやすくなります。
    • 日常生活に運動を取り入れる: エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩くなど、意識的に体を動かす機会を増やすようにしましょう。
    • 具体的な目標を立てる: 「週に3回ウォーキングをする」など、明確な目標を設定することでモチベーションを維持しやすくなります。
    • 家族や友人と一緒に取り組む: 一緒に運動する仲間がいれば、お互いに励まし合い、継続するモチベーションになります。

運動を始める前には、必ずかかりつけの医師に相談し、ご自身に合った運動内容や強度を確認することが大切です。

【生活習慣】禁煙・節酒と十分な睡眠

血圧を安定させるためには、喫煙と過度な飲酒を控え、質の良い十分な睡眠をとることが重要です。日本高血圧学会のガイドラインでも、予防や生活習慣改善を含めた包括的な血圧管理の重要性が示されています。タバコや過剰なアルコールは血圧を上昇させ、睡眠不足は自律神経の乱れから血圧に悪影響を及ぼしかねません。

血圧を下げる上で重要な生活習慣は、次の3点です。

  • 禁煙
    • 血圧上昇の大きな要因となる: タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血圧を一時的に上昇させます。さらに動脈硬化を促進し、高血圧による心臓病や脳卒中などの合併症のリスクを一層高める要因となるでしょう。
    • 禁煙のメリット: 禁煙することで、数年後には心臓病や脳卒中のリスクが非喫煙者と同程度まで下がるとされています。禁煙は、健康寿命を延ばすために非常に効果的な選択といえます。
    • サポートの活用: 禁煙外来の受診や、ニコチンパッチ、禁煙補助薬などを活用することで、禁煙を成功に導きやすくなります。一人で抱え込まず、医師や専門機関に相談することを検討してみてください。
  • 節酒
    • 適量を守る: 過度な飲酒は血圧を上昇させる原因です。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、高血圧を予防するために飲酒量を控えることが重要だとされています。
    • 目安量: 一般的に、アルコール量は日本酒1合(ビール中瓶1本、ワイン2杯程度)までが適量とされています。
    • 休肝日を設ける: 週に2日程度の休肝日を設け、肝臓を休ませることも大切です。過度な飲酒は、高血圧だけでなく、肝臓病などのリスクも高めます。
  • 十分な睡眠
    • 血圧の安定化: 睡眠中は血圧が低下し、血管が休息する時間です。十分な睡眠は、自律神経のバランスを整え、血圧を安定させる働きがあります。
    • 睡眠不足の影響: 睡眠不足が続くと交感神経が優位になりやすく、血圧が上昇したままになることがあります。これは心臓や血管に負担をかける原因となる可能性があります。
    • 質の良い睡眠のために: 規則正しい生活リズムを心がけ、寝る前のカフェイン摂取を控え、寝室の環境を整える(暗く静かにする、室温を快適に保つ)ことなどが推奨されます。

これらの生活習慣を一つずつ見直していくことで、高血圧の改善だけでなく、全身の健康維持にもつながるでしょう。

医師が解説!高血圧の薬物治療と受診の目安

健診で血圧が高いと指摘された場合、適切なタイミングで医療機関を受診し、ご自身の状態に合わせた治療を開始することが何よりも大切です。この見出しでは、どんな血圧の基準で治療が必要になるのか、そしてどこに相談すれば良いのかをわかりやすく解説します。

治療が必要な血圧の基準と薬物療法の開始

治療が必要な血圧の基準は、健診での数値だけではなく、患者さん一人ひとりの全体像を医師が総合的に判断して決められます。 健診結果に記載される「受診勧奨」の判定値は、収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上とされていますが、これは医療機関への受診を検討するための目安です。この数値が出たからといって、すぐに「高血圧症」と確定するわけではありません。 薬物療法を開始するかどうかの判断は、健診での血圧の値に加え、次の要素を詳しく評価した上で決定されます。

  • ご自宅で測る家庭血圧の値
  • 心臓や腎臓など他の病気の有無
  • 喫煙や糖尿病の有無
  • 動脈硬化の進行度合い

日本高血圧学会のガイドラインでは、高血圧を「治す」ことだけでなく、予防や生活習慣改善を含めた包括的な血圧管理が重視されています。これは、学会が費用を負担し、企業からの資金を受けていない信頼性の高いガイドラインです。 また、厚生労働省のe-ヘルスネットでも、高血圧の経過としてまず下の血圧(拡張期血圧)が高くなりやすく、その後上の血圧(収縮期血圧)も高くなることがあると説明されています。このように血圧の変動にも特徴があるため、医師とよく話し合い、ご自身の状態に合った治療計画を立てていくことが大切です。 健診結果だけにとらわれず、医師とともに包括的な視点で治療方針を検討しましょう。

健診で指摘されたら何科を受診すべき?

健診で血圧が高いと指摘されたら、まずは「内科」を受診することが適切です。高血圧は、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病による死亡に大きく影響する要因の一つだと厚生労働省のe-ヘルスネットでも言われています。食事や運動、飲酒といった日々の生活習慣が深く関係しているため、内科では血圧の管理だけでなく、他の生活習慣病との関連も考慮しながら、患者さんに寄り添ったきめ細やかな治療を提供できるのです。 そのため、どこを受診すれば良いか迷った際は、かかりつけの内科医に相談するのが良いでしょう。

受診の際は、以下の情報を持参するとスムーズな診療につながります。

  • 健診結果の用紙: 現在の健康状態を正確に把握するための大切な資料です。
  • 家庭血圧の記録: 自宅で血圧を測る習慣があれば、その記録をすべて持参してください。白衣高血圧でないかどうかの判断にも役立ちます。
  • 現在服用している薬: 他の病気で飲んでいる薬があれば、必ず医師に伝えてください。
  • 過去にかかった病気: 以前の病歴も、治療方針を立てる上で重要な情報です。

適切な受診と正確な情報提供が、高血圧をきちんと管理し、健康な生活を長く続けるための第一歩となります。

家庭で血圧を正確に測るための3つのコツと血圧計の選び方

家庭での血圧測定は、高血圧を適切に管理するための重要な要素です。ご自身の体調把握はもちろん、医師が適切な診断や治療方針を決める上でも不可欠な情報源となります。特に、病院で測る時だけ血圧が高くなる「白衣高血圧」の判別や、生活習慣改善の効果を客観的に確認するためには、正確な家庭血圧の記録が求められるでしょう。

1. 正しい時間と回数で測定する

血圧は一日のうちでも常に変動しています。そのため、毎日同じ時間帯に測定することで、その時の血圧の「実態」を把握しやすくなります。

より正確な血圧を測るための具体的なタイミングと方法は以下のとおりです。

  • 測定のタイミング
    • 朝の測定: 起床して1時間以内、朝食や薬の服用前に行いましょう。排尿を済ませてから測ると、より安定した値が得られます。
    • 夜の測定: 就寝前に測定します。
  • 測定回数
    • 一度だけでなく、毎回2回測定し、その平均値を記録すると、その時点での血圧をより正確に把握できます。血圧は、わずかな体調や気分によっても変動するため、複数回測ることで数値のばらつきを抑えることができるでしょう。

日本高血圧学会のガイドラインでも、継続的な血圧管理にはこうした家庭での測定が重要とされており、診断に必要なデータを医師へ提供する基礎となります。

2. 測定時の姿勢と環境を整える

正確な血圧を測るには、リラックスできる環境と正しい姿勢が非常に重要です。緊張や不適切な姿勢は、一時的に血圧を上昇させてしまい、誤った測定結果につながる可能性があるからです。

血圧測定時に意識したいポイントは次のとおりです。

  • 測定前の準備
    • 測定の5分前からは、会話や動作を控え、椅子に座って安静に過ごしましょう。
    • 喫煙やカフェイン摂取、飲酒は測定前の30分間は避けるようにします。
  • 正しい姿勢
    • 背もたれのある椅子に深く腰掛け、足を組まずにリラックスします。
    • 腕帯(カフ)を巻いた腕は、テーブルなどに置いて心臓と同じ高さになるように調整してください。腕にかかる圧力が心臓の血圧と近くなることで、より正確な数値が得られます。
  • 室温への配慮
    • 寒い場所では血管が収縮し、血圧が高くなる傾向があります。国立循環器病研究センターも注意を促しているため、快適な室温で測定するよう心がけましょう。

3. 適切な血圧計を選ぶ

家庭用の血圧計にはさまざまな種類がありますが、ご自身に合った信頼できるものを選ぶことが、正確な測定の第一歩です。

血圧計を選ぶ際のポイントは以下のとおりです。

  • 測定方式
    • 上腕式が推奨されます: 手首式や指先式と比べて、上腕式(腕に巻くタイプ)の血圧計の方が、より正確な測定ができると考えられています。上腕は心臓の高さに近く、太い血管が通っているため、安定した血圧値を測りやすいからです。
    • 腕帯(カフ)のサイズ: 腕帯のサイズがご自身の腕の太さに合っているかを確認しましょう。サイズが合わないと、正しく圧力がかからず測定誤差が生じてしまいます。
  • 医療機器認証品
    • 安心して正確な測定を行うために、国が定めた基準を満たした「医療機器認証」を取得している製品を選びましょう。これにより、製品の信頼性が保証されます。
  • 便利な機能
    • 最近では、測定値を自動で記録するメモリ機能や、不規則な脈を知らせる機能など、便利な血圧計も増えています。これらの機能を活用すると、日々の記録がより簡単になり、体の変化に気づきやすくなるでしょう。

家庭で継続的に血圧を測ることは、ご自身の生活習慣が血圧に与える影響を把握し、食事や運動などの生活習慣改善の効果を確認する上でも非常に役立ちます。

まとめ

健診で血圧が高いと指摘されたら、放置せずに医療機関を受診し、生活習慣を見直すことが、将来の健康を守る上で大切です。高血圧は自覚症状が少ないまま進行し、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞など命に関わる病気につながる可能性があります。減塩や適度な運動、禁煙・節酒、十分な睡眠といった生活習慣の改善は、血圧をコントロールする大切な一歩です。また、家庭での正確な血圧測定と記録も欠かせません。白衣高血圧の可能性もあるため、まずは内科で相談し、医師とともにご自身に合った治療計画を立てていきましょう。早めの受診と継続的なケアが、健康な生活を長く続けることにつながります。

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この記事は医師の監修のもと作成しています。

監修 和田 蔵人(医師)

監修者プロフィールはこちら

参考文献

  • 日本高血圧学会. 高血圧治療ガイドライン.
  • 厚生労働省. 高血圧 | 生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット) | 健康日本21アクション支援システム Webサイト.
  • 厚生労働省. 特定健診・特定保健指導について.
  • 厚生労働省. 特定健康診査受診結果.
  • 国立循環器病研究センター. 高血圧|病気について|循環器病について知る|患者の皆様へ.
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